スマートトレーナー講座【FTPの仮値算出方法】

Bicycle
DSC_0337

 最初に設定すべきFTPですが、パワーデータ(脚出力データ)が無ければ設定出来ないという事になります。

 やみくもにパワートレーニングバイブルのFTPテストを繰り返してもいいですが、、、パワートレーニング入門者としてはここで悩みますよね。

FTP:約1時間の間、疲労せずに準定常状態で維持可能な最大のパワー。パワーがFTPを超えると急速に疲労する。その一方で、FTPのすぐ下であれば、かなり長時間持続できる。

パワートレーニングバイブル p396

 そんな時は、脚出力と心拍数の関係から仮値を算出してからFTPテストをやればOKです。これは、VO2_MAX(最大酸素摂取量)の算出方法の応用になるのでVO2_MAXの求め方について触れておきます。

ポイントは3つ

  • 脚出力=運動量と酸素摂取量は、比例関係(直線近似できる)である。
  • 酸素取り込みの限界点がVO2_MAX、ここを境に直線性が失われる。

参考田畑泉教授が、著書「タバタ式トレーニングp85-87」で詳しく解説しておられるのでそちらを参照ください。

  • 運動量と酸素摂取量の関係は、以下の式で定量化されている

   VO2_MAX(ml/kg/分)=[(10.8×推定最大運動量W)/体重kg]+7

参考「NSCAパーソナルトレーナーのための基礎知識p236~238」から引用しています。

 酸素摂取量を決めるのは、「供給:肺、心臓」と「消費:筋肉、生体システム」である。それぞれが最大稼働しているときに、VO2_MAXとなる。

最大運動量(脚出力)が推定できれば、VO2_MAXは求められる。

 運動量と酸素摂取量の直線性は、運動量と心拍数でも成り立つので、直線領域内で運動量と心拍数を2点以上計測し直線を近似すれば、「220-年齢」で規定される最大心拍数から最大運動量(脚出力)が推定できる。

 VO2_MAXならここから数値を式に代入して、数値が得られますが、FTPはここからが少し異なります。

 自分の結果でいうと、最大脚出力(W)の85%をFTP仮値としてFTPテストを実施するのがBestだと思います。少し自信が無ければ80%で算出してもOKです。

FTP仮算出用テスト結果

 FTP仮算出用テストは、簡単です。

  1. 50rpmで5分間ウォーミングアップ 
  2. 60rpmで2分間 
  3. 70rpmで2分間 
  4. 80rpmで2分間 
  5. 50rpmで2~4分間ダウンして終了

 楽に踏めるギヤを選択して、同じギヤで80rpmまで回していきます。それぞれのケイデンスの終了約10秒前で安定した心拍数と脚出力を記録します。私の2019年の10月22日のデータを表にしておきました。

参考心拍数や脚出力が安定しないなら、2分間を3分間にしても別に問題ありませんし、3分間にして最後の30秒の平均にしてもいいです。

 次に Y=AX+Bの直線の傾きAとY切片Bを算出します。Xが脚出力(Power)で、Yが心拍数となります。

A、Bの計算結果

 3つのデータがあるのでそれぞれAとBを計算します。この時に大きく値が外れているA、Bは破棄して下さい。今回のケースは3つを平均しています。

 当時の私の最大心拍数は、220-54=166回/分なので、166=0.52X+67.58を解けば、X:189.3となります。この数値の85%は、160.9Wですね。

 以上より、FTP仮値は160.9Wとなり160WでFTPテストを実施した結果、20分値が169.0Wとなました。その95%をFTPとして正式にセットするので160.6Wとなりました。

注意FTPテストのやり方は、パワートレーニングバイブルp76~77にありますのでそちらを参照願います。

 誤差が出やすいので、計算結果のバラツキが大きければ、やり直すとか工夫は必要ですが、15分から20分で終わる楽なテストなので気楽にやって下さい。

 もともとVO2_MAXの計測はトレッドミルを使ってやるもので、自転車や12分走で行う手法は代理手法でバラツキます。あくまでも目安と捉えてください。

 またこの方法は、スマートトレーナーを前提にしていますので、実際の公道でやる事はお勧めしませんので、ご注意をお願い致します。

参考私が使っているスマートトレーナーはWahooKICKER Coreです。

お世話になった「熊本を」「九州を」応援しています。

お探しの自転車部品があるならこちら

コメント

タイトルとURLをコピーしました