2020年度の不様な正指導員検定結果
2月19-21日とSAJスキー正指導員の検定を菅平高原スキー場で受験しました。結果は、実技8種目のうち2種目を落として不合格でした。実は、準指導員を取得してから15年ぶりに正指導員検定を昨年受験して玉砕していました。昨年は、自分の滑りがSAJ要求に合っていない事を理解しないで受験して、5種目落として敗退でした。
SAJ準指導員なのに「タブーのローテーション」
自分は、2012年にイギリスから帰国した時期くらいから「楽に滑るために正対して」滑っていました。正対していると左右のスキーのトップが常に同じ位置にあって、スキーの前後差が無い状態で滑ることになります。通常は外力に対応するために腰の向きがターンの外方向に向く「外向形」になって外スキーが少し後方へ下がります。前後差を生まないようにするには、ターンの外腰を前に押し出して腰をスキーの進行方向に向けます(正対させる)。この外腰を前に押し出す動きを「腰をローテーション」させると言います。
自分自身はターン始動のタイミングで、このローテーション技術で滑っている認識はなく、普通に捻って板を内側に向けて滑っているつもりでしたが、いつの間に最初からローテーションさせていました。本来SAJ(日本スキー連盟)では、ターン始動時のローテーションはタブーですから、準指導員資格を取得した時点(2004年)ではローテーションは使っていないはずです。
遅すぎる真実の認識
昨年は、これに気付かずに正指導員を受験していました。昨年の途中で自分の滑りでは合格しないと認識したのですが、その時点でも自分がターン始動期からローテーションで滑っているという事に気付いておらず、何が根本問題なのかを正しく把握できたのは、今年の1月16日のお世話になっている東京都スキー連盟の専門員の方のレッスンの時でした。
そう、今年の受験約1か月前です。これには、自分もかなり焦りました。まあ、冷静になって考えれば、常に正対することを意識して何年も滑っていたので、ターン始動時からローテーションさせているはずでした。そもそも1月16日のプライベートレッスンを受けたのは、1月6日に知り合いに滑りを見てもらって「捻れていないよ」というフィードバックをもらったのがきっかけでした。適切な前後差をつけて滑るようにして正対を全く意識しないで滑る練習をした成果を確認してもらうためのチェックで、小回りで「捻ることができない」という事実が発覚したのです。
検証の繰り返し、矯正の道のり
たまたま、1月16日のプライベートレッスンのお誘いを頂き「渡りに船」と参加を決めて、それまでに捻りを特訓してレッスンに臨みました。そのレッスンで、ターン始動時にローテーションしていると指摘されました。このレッスンの中盤で、やっと「自分は100%ローテーションでターン始動時から滑っていた」と認識しました。いろいろとドリルを行い「ローテーションしている時の足裏感覚」と「正しく捻られた時の足裏感覚」の違いを理解して、本当の意味で矯正の日々が始まりました。
1月31日のサンメドウズ清里での指導員検定向け特別レッスンで再度状況を確認しましたが、まだ左側にローテーションが見え隠れしている状況でした。更に特訓を重ねて、2月13日に知り合いとそのクラブのA級検定員資格保持者の方に見てもらうと「右下がりの片斜面の時に左肩が動く」と指摘頂き最終調整して検定に臨むことになりました。
最後の足掻きは、大鏡のシャドウ陸トレ
この時点では、もう実際に雪上での練習は検定前日の検定バーン確認しかなく、ストレッチラボ二風庵で使っている大鏡の前で捻り動作の左右差を埋めていく地道な練習しかできませんでした。この地道なシャドウ陸トレをもっと前に徹底しておくべきだった思いました。
2021年度も敗退
このローテーションが合否に大きく影響する種目は、「基礎パラレル小回り」と「横滑りの展開」という2種目ですが、今年は問題なく〇を頂きました。
「パラレル大回り」「総合滑降」というスピード系種目でも〇を頂き、「不整地小回り」、「プルークボーゲン」も〇でした。
しかし、得意のはずの「滑走プルークからの基礎パラレルへの展開」とあまりマークしていなかった「シュテムターン」で×でした。
違和感を放置した代償は?滑走プルーク展開
滑走プルークは検定の前日に滑っていて違和感が出ていました。小回りでの捻りをうまく表現するために足首が緩まないように意識して滑る癖をつけていたのですが、その足首の緊張が強いとプルークの内足のエッジの掛かりが強くなるのです。この時にしっかり調整しておくべきだったのですが、違和感として残してしまったために本番でターン中に内足が少し外足に寄せられてしまい「痛恨のミス」を演じました。
理解不足なのか?シュテムターン
シュテムは、足裏全体で踏んで立ち上がると胸が起きたり、開きだしのスキーのトップが浮いたりと不安定になるので、ターンを仕上げてきた外足の踵よりからつま先に荷重を移動しながら立ち上がって、胸の角度を変えずにスキーのトップが浮かないように立ち上がるようにしていたのですが、体が前に突っ込むように動きシュテム動作の不良判定を受けた可能性が強いですが、現状は×の理由は不明です。
矯正の副作用
ローテーションの矯正を通じて、ニュートラルポジション、重心、股関節、膝、足首といった関連する部分に静的にも動的にも修正が入るので、その感覚に慣れるために滑りこんで、そこから確認して、修正しての繰り返しです。新しい感覚で全ての種目を仕上げるのは、時間的にも難しく今回の結果となりました。
SAJ指導員検定のお作法
今年度は終わりました。準・正指導員検定受験を目指す方は、SAJのお約束をきっちり身に着けてから受験しないと1年に一度だけなので苦労することになります。
・「迎え角で雪面抵抗を捉える(作る)」が、基本で全てここからです。
・迎え角は、股関節の捻りで生み出されますから、正しく捻ることが前提です。
・雪面抵抗あっての内傾角ですから、傾きから入ってはいけません、傾きは結果です。
・小回りは、捻り戻しでフォールライン近くまで板を動かせることを確認しておきましょう。
・SAJのタブーは、「ローテーション」と「内倒」で検定員は見逃しません。
明けない夜はない!!
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