9月も下旬に入り、今シーズンの課題とかを整理しているスキーヤーの方も多いのではないでしょうか?
ここ10年の自分のテーマは、「楽に滑る」でした。その為には、「どんな操作」が「いつ」必要か? 結果「前後差」はどうなるか、なんて事を生意気にも考えていました。
でも、30年もスキーをやっているのに、前後差について自分の中で確信めいたものはありませんでした。楽に滑るポイントの1つとして正対を考えていたので、今までは前後差を無くすような操作を心がけていました。
違う言い方をすれば、スキーの前後差=腰の外向or内向と考えて、楽に滑る腰の向きを探していました。もちろん、ターンの局面全てで前後差があってはならないと考えていた訳ではありませんが、基本の前後差はこれだという形が無いまま毎年工夫し続けていたという感じです。
自分の見方を変えてくれたのは、
【自重をうまく使ってスムーズにすべるための5つのポイント】
https://www.youtube.com/watch?v=PiNe1jyymXY
というYouTube動画でした。
スムーズに滑るな~と思ってみていたら、内脚の折り畳みに関係なく内脚膝頭の位置が動いていない事に気づきました。これで、見方が変わり「長年の疑問が解氷」した感じです。
分かっていたつもりだったのですが、ブーツで規制された「スネの前傾角」は決まっていて、「足首の角度」も決まります。それ以上に前傾を試みるとタング上部に荷重してしまい、踵が浮き始め荷重点が爪先に移動してしまいます。
荷重点を移動させない内脚の折り畳みを行うと脛の前傾角は変化せず、膝が曲がり腰(股関節)は後ろに移動し、股関節も曲がり荷重点が後ろ移動しないように補正します。
ニュートラルポジションの写真は、脛の前傾角が少し足りない気もしますが、ここから脛の前傾角を維持しながら「右膝と右股関節を曲げて内脚を畳んだポジション」を作ると、膝頭、爪先を見れば分かるように前後差が現れます。
分かっている人からすれば、そんなの「当たり前」と思うと思います。
でも、自分自身は、しっかり理解していませんでした。
その状態で正対すれば、「外脚と内脚の股関節を結ぶ直線」と「板の長軸」は直行しますから、膝の伸ばされた外脚は畳まれた内脚に対して後方に下がります。これが、「内傾状態でスキーに腰(股関節)が正対した前後差」です。
常に自分の狙う荷重点と荷重を維持できるように、膝と股関節を調整して内傾角を作れば、正対状態で前後差が自然に現れて、切り替え(斜面に垂直=内傾角が0)時点で、前後差は自然に消えて無くなる事になります。
この「自然に前後差が出来て」「自然に消えていく」滑りが、今の回転力を備えたカービングの板では必須の技術で、この先に個性を付加していくのだと思います。
正対で自然な前後差が出来れば、板への垂直荷重と適切な内傾角から板の回転力を引き出せるという事です。今までは、曲がる板なのに板を曲げようとして、内向、外向、外脚の内旋、内脚の外旋等の不要な操作をいれて、荷重点も不適切にしてしまい、板の性能を殺していた事になるのでしょうか、、、情けない話です。
そんなに簡単にいくとは思えませんが、早く雪上で確認したいものです。
コメント